SOAフォーラム2005

IT業界は新しい言葉を作り出すのが好きで、それをトレンドとしてユーザ企業相手に商売するのが近年のパターンである。

「SOA」とは「サービス指向アーキテクチャ」のことであるが、このセミナーに参加するまでは「CRM」のところでも話題になった“サービス”のことであると思っていたが、実は各システムがもっている機能のことであった。少し前に流行った「オブジェクト指向」をもう少しユーザが分かりやすくしたレベル、つまりは各システムがもっているサービスをもっと動的に使えるようにしようというのが「サービス指向アーキテクチャ」である。

IT化が叫ばれていたとき「自社に合ったパッケージを探して導入しましょう。低コスト、短納期、高付加価値のものが導入できます。」が一般論であった。コストをあえて無視した場合は「ベンダーそれぞれ得意分野があります。自社が欲しいものを作ってくれる最適なベンダーを選定してください。」も一般論であった。当時はそれで良かったかもしれないが、数年間かけて導入したシステムを全社レベルで統合して使おうとすると「歴史は繰り返す」が如くさっぱり上手くいかない。早い話、目先のメリットのみでシステムを導入してしまっているからである。

そのようなことがユーザ側から問題定義されるとITベンダーとしては“新しい商売のネタ”になるわけで、これからはパッケージに関して“標準仕様”を作り、その標準仕様に基づいて作られたもの同士ならばお互いに自由にやりとりができ、一括管理する仕組みも作ることができるというわけである。

IT業界が作り出している“流行(トレンド)”に踊らされること無く、自社の足元をしっかり見て、一歩引き客観的に自社にとって何が必要なのかを冷静に判断することが現時点での最善な選択肢であると思えた。

「○○○○○は遅れている」と一部言われているが、トレンドに乗り遅れ躊躇していたことが今となっては吉と出ているように感じる。そして○○○○○の伝統である内作を今後も進めることでSOAなどに振りまわれることもなく、「今必要なものを」ムダなく導入し発展させていくことも可能である。

3日間のまとめ。
企業それぞれ社風(体質)があり、世間の流行り物が必ずしも自社に合っているとは言い切れないということを改めて実感させられた3日間でした。

ナレッジマネジメントフォーラム2005

第一部で自社内でKMを開発運用をした当事者の生の声(本音)を聞かせてもらえ、第二部でKMを推進している6企業の実担当者によるパネルディスカッションでなぜKMが進まないのかの実情を暴露してもらえた。

結論からすると○○○○○においてKMを始めてするIT化が進まないのは当たり前である。なぜならば数年前から言われているIT化というものは、特にそれが無くても仕事はできてしまうからである。IT化に取り組んだ企業の80%以上が失敗しており、表向きで成功していると思われている企業においてもその裏には担当者の想像を絶する苦労があるとのこと。IT化をすんなりと受け入れ、それが無くてはならないものとして稼働している企業というものは、「せっぱつまった状態(自社が属する業界に大変革があった。経営者が変わり経営方針が大きく変わった。組織が短期間の間に変わり続ける。人の出入りが激しい)」であるか、「新しい企業(仕事のやり方が固定化されていない)」のどちらかであり、少数派としてはトップがITに関して非常に明るい場合に完全トップダウンでIT化を進め成功する場合もあるとのこと。
歴史ある企業が“仕事のやり方を変えずに”IT化を進めた場合は100%失敗するというのが現実であり、IT推進部隊としては少しでも成功するように無理な努力をしているのが日本の企業の実情である。

パネルディスカッション参加の6企業も「自社は上手くいっている」というところは皆無であり、「無理やりにでもやらせていけばそのうち根付く」を信念に日々苦労の連続とのこと。
・定期的な勉強会 (洗脳されるまで続ける)
・女性だけで編成されたサポート部隊 (女性が言うことなら素直に聞く人が多い)
・自ら営業部へ転属してIT武装した営業マンになってみせた (見本が必要だった)
・ワークフローとして制約をつける (業務日報を入力しなければタイムカードを引けない)
・部門長が一番しっかりやっていることをアピールするような仕組み (上司がやれば部下もやる)
などなど、ここまで強制されなければやらないというのが古い体質をもった日本の企業である。

Oracle CRM

オラクル主催の「CRM」であるが、数年前に「時代の流れ」「トレンド」「企業に必要なもの」というITベンダーが作り出した流行り物を信じて導入した企業の大多数(80%以上)が失敗している。そもそもCRMがなぜ必要なのか、なぜ導入するのか、どのように役に立つのかを明確にせず、CRMさえ導入すれば必然的にプラスαの部分が現れてくると錯覚したユーザ企業に非があるのだが、そのように仕向けたITベンダーにも大いに責任があると思える。現状としては「まずはコンサルを受けてから」という進め方が推奨されている。次に企業としての「サービス」の本質とは何かを再度考え直し正しい認識の下、独自のサービス展開のための道具としてCRMが役に立つことが強調されていた。
失敗事例ばかりでITベンダーとしての責任問題になってきている実情を踏まえ、「自己責任」の言葉で片付けられない日本の企業にあったIT化路線を模索しているように感じられた。